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※本記事は一般的な仕組みと言葉の解説であり、投資判断を助言・推奨するものではありません(どちらを持つべきか、相場がこの先どう動くかには触れません)。FXにはリスクがあり、取引は自己責任・余裕資金の範囲で行ってください。
FXの解説やニュースでよく出てくるロングとショート。結論から言うと、ロング=買いから入る取引、ショート=売りから入る取引で、持っている期間の長短とは関係がありません。
そしてFXには、売りから入って、値下がりしたところで買い戻すという形があります。「まだ持っていないものを、どうして売れるの?」——この記事では、そのしくみと、建玉(たてぎょく)や決済といった周辺の用語を順番に整理します。なお、どちらを選ぶべきかや、この先の相場がどうなるかには触れません。
この記事で分かること
- ロング=買い、ショート=売りという言葉の意味
- 「まだ持っていない通貨を売る」がなぜ成り立つのか
- 値下がりしたときに利益が出る形があるのは、なぜか
- 建玉・ポジション・決済といった言葉の整理
- ロングとショートで変わること/変わらないこと
ロングは「買い」、ショートは「売り」のこと
| 言い方 | 同じ意味で使われる言葉 | どういう状態か | 差がプラスになるのは |
|---|---|---|---|
| ロング(Long) | 買い/買い建て/買いポジション | その通貨ペアを買って持っている状態 | 買ったときより高いところで手じまいしたとき |
| ショート(Short) | 売り/売り建て/売りポジション | その通貨ペアを売って持っている状態 | 売ったときより安いところで買い戻したとき |
取引画面では「ロング」「ショート」と書かれていないことも多く、「買」「売」や「Buy」「Sell」と表示されている会社もあります。表記が違うだけで、指しているものは同じです。
なぜ「長い」「短い」と呼ぶのか
「まだ持っていない通貨を売る」が、なぜ成り立つのか
理由①:通貨ペアは、いつも2つセットで動いている
通貨ペアの読み方や、左右の通貨がそれぞれ何を表しているのかは FXの通貨ペアとは?ドル円の読み方とクロス円の違い で整理しています。ここが曖昧なままだと、ショートの話は腑に落ちにくくなります。
理由②:現物を受け渡さず、差額をやりとりする形だから
| 入口(新規) | 出口(決済) | やっていること | |
|---|---|---|---|
| ロング | 買う | 売る | 買って→売る という順番で一往復 |
| ショート | 売る | 買い戻す | 売って→買う という順番で一往復 |
値下がりしたときに利益が出る形があるのは、なぜ?
この「差」が利益や損になるしくみそのものは FXってどうやって利益が出るの?|為替差益とスワップのしくみ で解説しています。ここでは、その差が売りから入った場合にどう向くのかだけを見ていきます。
| 値動き | ロング(買いから入った場合) | ショート(売りから入った場合) |
|---|---|---|
| 入口より高くなった | 差がプラスに向かう | 差がマイナスに向かう |
| 入口より安くなった | 差がマイナスに向かう | 差がプラスに向かう |
ここは読み違えやすいところ
「値下がりでも利益が出る形がある」は、「値下がりすれば得をする」という意味ではありません。売りから入って値上がりすれば、その差はマイナスになります。差益と差損は、どちらの向きでも背中合わせです。
建玉・ポジション・決済――セットで出てくる言葉を整理する
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 新規注文 | しんきちゅうもん | 取引の入口。買い、または売りから入って持ち高をつくる注文 |
| 建玉 | たてぎょく | 入口の注文が成立して持っている状態。「ポジション」とほぼ同じ意味 |
| 買い建玉/売り建玉 | かいだてぎょく/うりだてぎょく | 買いから入って持っている状態/売りから入って持っている状態。つまりロング/ショート |
| 決済注文 (反対売買) |
けっさいちゅうもん | 取引の出口。買い建玉を売る、売り建玉を買い戻す、という逆向きの取引で手じまいし、損益を確定させる |
| 両建て | りょうだて | 同じ通貨ペアで、買い建玉と売り建玉を同時に持つこと。取り扱いは会社ごとに異なる |
なお、入口と出口でどんな注文の出し方があるのか——成行・指値・逆指値といった種類の違いは、FXの注文方法6種類|成行・指値・逆指値・IFD・OCO・IFOの違いと使い分け にまとめてあります。ロングとショートは「どちらの向きで持つか」、注文方法は「どうやって入って、どうやって出るか」の話です。
ロングとショートで、変わること・変わらないこと
| 項目 | 変わる? | 内容 |
|---|---|---|
| 値動きに対する損益の向き | 変わる | 同じ値動きでも、プラスとマイナスが逆向きになる |
| スワップポイント | 変わる | 2つの通貨の金利差から生まれる調整額。一般に、金利の高いほうの通貨を買う側は受け取り、その逆は支払いになるとされています(通貨ペアや会社、そのときの金利情勢によって変わります) |
| 損失の理論上の広がり方 | 説明が分かれる | 値段には0という下限がある一方で上限は決まっていないため、「売りのほうが理論上の損失に限りがない」と説明されることが多い考え方です |
| 証拠金・レバレッジのしくみ | 変わらない | 必要な証拠金の考え方や、レバレッジのかかり方は向きで変わりません |
| スプレッド(取引コスト) | 基本は変わらない | 売りでも買いでも同じ幅が基本。ただし条件は会社ごとに異なります |
| ロスカットのしくみ | 変わらない | 一定の水準を割ったときに手じまいされるしくみは、どちらの向きでも同じように働きます |
初心者がつまずきやすい3つの勘違い
①ロング=長期保有、ショート=短期売買だと思ってしまう
いちばん多い読み違えです。ロングとショートは保有期間と関係ありません。数分で手じまいした買いもロングですし、何か月も持ち続けた売りもショートです。
②ショートには特別な手続きが要ると思ってしまう
取引画面のうえでは、買いボタンを押すか、売りボタンを押すかの違いでしかありません。別の口座を用意したり、追加の申し込みをしたりする必要は、一般的なFXの口座ではありません。
③「ショートを覚えれば下落局面も取れる」と読みかえてしまう
ショートは「値下がりしたときに差がプラスに向かう形がある」というしくみの話であって、値下がりを当てられるようになるという話ではありません。選べる向きが2つになることと、読みが当たることは別——ここは切り分けておきたいところです。
ロング・ショートについて、よくある質問
ロングとショートを、同時に持つことはできますか?
同じ通貨ペアで買いと売りを同時に持つことは両建てと呼ばれます。扱えるかどうかや、証拠金・スワップポイントの計算方法は会社ごとにルールが異なります。コストが二重にかかるという指摘もあるため、取引する会社の説明を先に確認するのが安全です。
ショートに、持てる期限はありますか?
個人向けの店頭FXでは、持ち続けられる期限を設けていないのが一般的とされています。ただし持ち越すたびにスワップポイントが発生するため、「期限がない=コストがかからない」という意味ではありません。
「買い」「売り」と「ロング」「ショート」は、同じものですか?
同じものを指す別の言い方です。取引画面では「買」「売」、解説記事やニュースでは「ロング」「ショート」と、場面によって呼び分けられているだけと考えて差し支えありません。
まとめ
ロングは買いから入る取引、ショートは売りから入る取引。持っている期間の長さとは関係がありません。「まだ持っていない通貨を売れる」のは、通貨ペアがつねに2つセットで動いていて、かつ現物を受け渡さずに差額をやりとりする形だからです。
損益のもとになるのは、どちらの向きでも入口と出口の値段の差。その差の向きとスワップポイントの受け取り・支払いが逆になる一方で、証拠金やレバレッジ、ロスカットのしくみは共通でした。どちらを持つべきかという判断は、この記事の範囲の外にあります。まずは言葉の意味を正しく置いてから、無理のない範囲で進めていきましょう。
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の投資判断・売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余裕資金の範囲で行ってください。制度や各社のサービス内容は変更される場合があるため、最新の情報は金融庁や日本証券業協会などの公的機関、および各FX会社の公式サイトでご確認ください。
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