経済指標の「織り込み済み」とは?予想と結果の差で相場が動く仕組み|まどか先生とはじめ君

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経済指標の「織り込み済み」とは?予想と結果の差で相場が動く仕組み|まどか先生とはじめ君

※本記事は経済指標まわりの言葉の意味と一般的な仕組みの解説であり、投資判断を助言・推奨するものではありません(売買のタイミングや相場予測はしません)。

fx-hajime編集部より:この記事を読むと、指標の発表でよく聞く「織り込み済み」という言葉の意味と、なぜ良い数字でも動かないことがあるのか/悪い数字でも逆に動くことがあるのかという仕組みが分かります。案内役は、5歳の先生まどかと、金融会社の新入社員はじめ君です。

はじめ君

はじめ君
先生、今日のおやつはほうじ茶プリンです! ちょっと大人っぽいのに挑戦してみました。
まどか先生

まどか先生
ほうじ茶〜! 渋いのきた〜♪ でもね、まどかこういうの好きなんだ。じゃあ今日もはりきって教えるね!
はじめ君

はじめ君
お願いします! 実はゆうべ、ちょっと納得のいかないことがありまして…。

「良い数字が出たのに動かない」のモヤモヤ

はじめ君

はじめ君
カレンダーで待ちかまえてた指標が、なかなか良い数字だったんです。なのに、レートはほとんど動かなくて。……かと思えば別の日は、数字が悪かったのに逆の方へ動いていって。ぼくの見方、どこか間違ってますか?
まどか先生

まどか先生
ううん、間違ってないよ。それ、みんなが最初につまずくところなの。カギはね、「織り込み済み」っていう言葉だよ。
はじめ君

はじめ君
おりこみずみ…(メモメモ)。なんだか洗濯物みたいな響きですね。
まどか先生

まどか先生
ふふ、たしかに。でもちゃんと意味があるんだよ。ここが分かると、さっきのモヤモヤはきれいにほどけるの。

指標の数字そのものは良かったのに、相場は静かなまま。逆に、数字は冴えないのに反対の方へ動いていく。ニュースで「すでに織り込み済みだった」という説明を聞いたことがある人もいるかもしれません。ここからは、その「織り込み済み」が何を指している言葉なのかを、順番にほどいていきます。

「織り込み済み」ってどういう意味?

はじめ君

はじめ君
まず、言葉の意味から教えてください。
まどか先生

まどか先生
いいよ。これから起きそうなことを多くの人が前もって見込んでいて、その見込みがもう今の値段に入っている状態——それが織り込み済みだよ。
はじめ君

はじめ君
値段に、入っている…? うーん、まだピンときません。
まどか先生

まどか先生
じゃあ運動会でたとえるね。徒競走のずっと前から、クラスのみんなが「たぶんA君が1番だよね」って言ってたとするでしょ。それで本当にA君が1番になっても、「だよねー」で終わっちゃうの。
はじめ君

はじめ君
あー…。分かっていたことが、分かっていたとおりに起きただけだと、ざわつかない。
まどか先生

まどか先生
そう、それが織り込み済み。相場でも同じで、これから出る数字を大勢の人が前もって予想して、その予想をふまえて売り買いしているの。だから予想どおりの数字が出ても、新しい情報が増えたわけじゃないんだ。
はじめ君

はじめ君
発表された瞬間がスタートだと思ってました。もう前から動きはじめてたんですね…!
まどか先生

まどか先生
うん。発表は「答え合わせ」に近いのかも。そもそも指標って何を測っているのか、種類や役割からおさらいしたいときは 経済指標とは?【FX取引における重要性や指標の種類・活用法を解説】 にまとめてあるよ。

相場が反応しやすいのは「予想との差」

まどか先生

まどか先生
だからね、見るところは数字が良いか悪いか、じゃないの。事前の予想と、出てきた結果の”差”のほうなんだ。
はじめ君

はじめ君
差……。あっ、カレンダーに数字が3つ並んでるのって、もしかして。
まどか先生

まどか先生
そう、そこにつながるよ。前回・予想・結果の3つだね。
  • 前回……前のときに発表された数字。
  • 予想……発表の前に、市場で見込まれている数字。
  • 結果……実際に発表された数字(発表後に入ります)。
まどか先生

まどか先生
「良い数字なのに動かなかった」のは、結果が予想とほとんど同じだったのかもしれないね。反対に「悪い数字なのに逆の方へ動いた」のは、予想よりは悪くなかった——つまり見込みほどではなかった、ということかもしれない。
はじめ君

はじめ君
テストで60点でも、まわりが「あいつ40点くらいだろ」と思ってたら「意外とやるじゃん」になるやつだ…!
まどか先生

まどか先生
うんうん、まさにそんな感じ! この”予想とのズレ”をサプライズって呼ぶこともあるよ。ズレが大きいほど話題になりやすい、って一般には言われてるの。
はじめ君

はじめ君
数字の良し悪しじゃなくて、みんなの見込みからどれだけ外れたか。全然ちがう見方ですね…。

その「予想」って、だれの予想なの?

はじめ君

はじめ君
ところで先生。カレンダーの”予想”の欄って、だれが決めてるんですか?
まどか先生

まどか先生
エコノミストや調査会社に「いくつくらいになりそう?」と聞いて、それをまとめた市場の見込みだよ。市場予想とかコンセンサスって呼ばれるの。
はじめ君

はじめ君
ひとりの人が決めてるわけじゃないんだ…。
まどか先生

まどか先生
そう。しかもね、まとめている会社によって集め方がちがうから、カレンダーごとに予想の数値が少しちがうことがあるの。「これが唯一の正解」という予想があるわけじゃないんだ。
はじめ君

はじめ君
えっ。じゃあ「予想より上」「予想より下」も、見るカレンダーによって変わることがある…?
まどか先生

まどか先生
きわどいときはね。だから数字は、いつも同じカレンダーで見比べるのがいい、って言われてるよ。このブログのカレンダーの見方は 【はじめに】経済指標カレンダーとは?初心者向けの見方・使い方 で説明しているから、迷ったらそっちを見てね。

差が大きければ大きく動く、とは言い切れない

はじめ君

はじめ君
じゃあ「差が大きいほど大きく動く」って覚えちゃっていいですか?
まどか先生

まどか先生
うーん、そこはね、そんなに単純じゃないの。同じくらいの差でも、反応が大きいときと小さいときがあるって言われてるんだ。理由はいくつかあるよ。
  • ひとつの発表に、数字がいくつも入っている……米雇用統計って何? で出てくる雇用者数・失業率・平均時給のように、同じ発表でも注目される数字が分かれることがあります。全体では予想どおりでも、中身の一部だけ大きくズレる、ということも起こります。
  • 前に出た分が、あとから直される(改定)……今回の数字といっしょに、前回ぶんが修正されることがあります。今回が予想どおりでも、過去の分が変われば受け取り方は変わります。
  • 同じ時間に、別の発表が重なっている……ふたつ以上が同時に出ると、どれにどう反応したのかを切り分けるのは簡単ではありません。
  • その日、指標以外のことも起きている……要人の発言や、まったく別のニュース。指標だけが相場を動かしているわけではない、というのが実際のところです。
  • どこまで織り込まれていたかは、目に見えない……ここが一番やっかいなところ。「みんながどのくらい見込んでいたか」は、ぴったり数値で測れるものではないとされています。
はじめ君

はじめ君
最後のやつ、地味に重たいですね…。見えないものが相手なんだ。
まどか先生

まどか先生
そうなの。だからまどかは「この差ならこう動く」とは言わないよ。話せるのは“予想との差が注目されやすい”という一般的な仕組みまで。方向のあてっこはしない、っていう約束だからね。
はじめ君

はじめ君
(ここ、ほんとうにブレないなぁ…)

「じゃあ予想を当てにいけばいい?」への答え

はじめ君

はじめ君
……ということは、予想より上か下かを先回りして当てにいけば?
まどか先生

まどか先生
それはもう”あてっこ”だね。まどかはやらないし、すすめもしないよ。5歳だからじゃなくて、当たり外れの話は、教わるより先に自分で決めることだから。
はじめ君

はじめ君
ですよね…。失礼しました。
まどか先生

まどか先生
ううん、思うのは自然だよ。ただね、はじめてすぐの人が先に手に入れておいて損しないのは、当てる技術より言葉の意味と予定のほうだと思うの。今日の「織り込み済み」も、その”言葉”のひとつだよ。

「織り込み済み」という言葉が分かると、指標にまつわるニュース解説の見え方が変わります。良い数字が出たのに相場が静かでも、「予想どおりだったのかもしれない」という読み筋が一本増えるからです。逆に言えば、数字ひとつで相場のすべてが決まる、という単純な話ではなくなります。発表のたびに一喜一憂する代わりに、「前回・予想・結果」の3つを並べて眺める——ここが、言葉の意味を知ったあとの変化になります。

まどか先生のまとめ

  • 織り込み済み=これから起きそうなことを多くの人が前もって見込み、その見込みがすでに値段に入っている状態。
  • 注目されやすいのは数字の良し悪しそのものではなく、事前の予想と結果の”差”(サプライズ)だとされています。
  • カレンダーの予想は市場の見込みをまとめたもの。まとめる会社によって数値が少しちがうことがあります。
  • 差が大きいほど大きく動く、とは言い切れません。中身の内訳・過去分の改定・同時発表・ほかのニュースなど、重なる要素があるためです。
  • どこまで織り込まれていたかは、あとからでも正確には測りにくいとされています。方向のあてっこは、この記事では行いません。

カレンダーでは、ここを見てね

まどか先生

まどか先生
今日の話をふまえて、カレンダーで見るところはこのあたりだよ。
  • 発表予定の日時(日本時間で表示)
  • 重要度(星や記号のアイコン)
  • 前回・予想・結果の3つの数値
まどか先生

まどか先生
発表が終わると、予想のとなりに結果が入るの。見るときのコツは結果だけを見ないで、となりの予想と見くらべること。3つ並んでいるのには、ちゃんと理由があるんだよ。
はじめ君

はじめ君
単独で見ても、意味が取りきれないんですね。
まどか先生

まどか先生
そういうこと。あ、それと発表日は月によって前後するから、正確な日時はカレンダーで確かめてね。ブログでは数値の予想も、結果を受けた見通しも出さないよ。
はじめ君

はじめ君
先生、今日もありがとうございました! もう「良い数字なのに動かない」でモヤモヤしません。
まどか先生

まどか先生
えへへ、よかった♪ じゃ、ほうじ茶プリン食べよ!
はじめ君

はじめ君
(ほうじ茶は先生には渋すぎたかな、と思ってたのに、ふつうに完食してる…。この先生の反応だけは、いつまでたっても予想との差が読めないな)

本記事は、経済指標やFXの仕組みを中立的にお伝えする情報提供が目的で、投資助言ではありません。売買の推奨や相場予測は行っていません。FXには損失リスクがあり、取引の最終判断はご自身の責任で。

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