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※本記事は一般的な仕組みの解説であり、投資判断を助言・推奨するものではありません(利益を保証する表現や、相場の予測はしません)。
FXの口座開設そのものは、スマホだけで数十分ほどで終わることが多いと言われます。ところが「始める前に決めておくこと」は、後回しにすると、たいてい決まらないまま取引が始まってしまいます。この記事では、手順に入る前に自分で決めておきたい3点を、まどか先生とはじめ君の会話で整理していきます。手順そのもの(口座開設から最初の注文まで)は別の記事にまとめてあるので、この記事を読み終えたらそちらへ進んでください。
なぜ「手順」より先に決めることがあるのか
手順は、書いてあるとおりに進めれば終わります。フォームに入力し、本人確認の書類を出し、審査を待つ。ここは迷う余地が少ない部分です。いっぽうで「いくらまで」「どこでやめる」は、書いてあるとおりに進める性質のものではありません。自分で数字を決めるしかない部分です。
そして厄介なのは、この手の判断は取引が始まってからでは決めにくくなると言われる点です。含み損や含み益を見ながら「いくらまでにしようかな」と考えると、そのときの損得に引っぱられた線になりやすい。数字が動いていない静かなうちに決めておく——これが、3つを前倒しする理由です。
この記事で決める3つ
- 資金の線:いくらまでなら失っても生活が変わらないか
- ルールの線:やめる線をどこに引くか
- 場所の線:どの口座で始めるか
① いくらまでなら失っても生活が変わらないか(資金の線)
この取り分けをしてから残った金額が、いわゆる余裕資金です。そのうえで決めたいのは「余裕資金を全部入れる」ではなく、失っても暮らしが変わらない上限としての金額です。紙でもスマホのメモでもいいので、「FXに入れるのはここまで」という数字をひとつ書き出してみてください。書いてある数字は、頭の中の数字より強い、と言われます。
資金の線を決めるときの手順(例)
- 毎月の生活費を出す
- 生活費の3〜6か月分を生活防衛資金として別にする(目安)
- 半年〜1年以内に使う予定のお金を別にする
- 残ったお金のうち、なくなっても生活が変わらない額を上限として決める
- その上限を「一度に全部」ではなく「当面はこの範囲で」という形にしておく
② やめる線をどこに引くか(ルールの線)
1回の取引でやめる線は、含み損がどこまで広がったら取引を終わらせるかという線です。これを事前に決めておくと、判断のたびに悩まなくて済みます。損切りの考え方や、逆指値・OCOといった注文でその線を自動的に実行させる方法は FXの損切りとは?損失を最小限に抑えるための具体的なルールと注文方法を解説 でくわしく解説しています。
期間でやめる線は、あまり語られませんが、同じくらい効くと言われます。1回ごとの線を守っていても、負けたぶんを取り返そうとして回数を重ねれば、一日の合計としては大きく減ってしまうことがあるからです。「今日はここまで」を決めておくと、その連鎖に入りにくくなります。
混同しやすい2つ
- 損切り=自分で決めて、自分で取引を終わらせること
- ロスカット=証拠金が一定の水準を下回ったときに、FX会社側が強制的に取引を終わらせる仕組み
ロスカットは損失の拡大を抑えるための仕組みとして用意されていますが、これは会社側の最終ラインであって、自分のルールの代わりにはならない、というのが一般的な説明です。発動する水準や条件は会社によって違うため、使う口座の説明を読んでおきたいところです。
決めた線は、取引中に動かさない。これが定番のアドバイスです。そのうえで、いつ・なぜ入って・なぜ出たのかを短くメモしておくと、あとから自分の線が現実に合っているかを見直せます。線は一度決めたら永久に固定、という意味ではなく、取引をしていない静かなときに見直すもの、と考えておくとよさそうです。
③ どの口座で始めるか(場所の線)
たとえば①で「まずは小さく」と決めたなら、最低取引単位が大きい口座とは噛み合いません。②で「逆指値で自動的に終わらせる」と決めたなら、その注文がアプリで扱いやすいかどうかが効いてきます。一般的に見られている比較の観点を並べておきます。
①②と噛み合うかを見る観点
- 最低取引単位(1通貨/1,000通貨/1万通貨など)— ①で決めた金額で動かせる大きさか
- スプレッドや各種手数料 — 取引のたびにかかるコストの目安
- 注文の種類(逆指値・OCO・トレールなど)— ②の線をアプリで実行できるか
- アプリの見やすさ — 数字が動いている場面でも操作を間違えにくいか
- デモ取引の有無 — お金を入れる前に操作を試せるか
- ロスカットの水準 — どの水準で強制的に終わるか(会社ごとに違います)
- 金融庁への登録 — 登録を受けた業者かどうかは金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧で確認できるとされています
3つが決まったら、手順へ
資金の線・ルールの線・場所の線。この3つが決まったら、あとは手順です。口座を申し込み、本人確認をして、審査が通ったら入金し、注文を出す——という流れになります。その全体像と、それぞれの段階で見ておきたい点は FXのやり方とは?初心者が失敗しないための基礎知識と始め方を徹底解説 にまとめてあります。この記事で書き出した3つのメモを手元に置いたまま、そちらへ進むのがおすすめです。
始める前によくあるつまずき
つまずき①:決めたのに守れない
意志で守ろうとすると、数字が動いている場面では難しくなりがちです。対処として挙げられるのは、金額をもっと小さくする、逆指値のように自動で執行される注文を使う、といった「守らなくても守られる」形にしておくことです。
つまずき②:3つを決める前に入金してしまった
取引を始める前であれば、いったん手を止めて決め直せます。入金した時点で取引が始まるわけではありません。画面を閉じて、①と②を書き出してからで遅くありません。
つまずき③:口座を先に選んでしまった
①②と噛み合わないと分かったら、口座は選び直せます。複数の口座を開設すること自体は一般に可能とされています。ただし管理が増えるので、最初のうちはひとつに絞るという考え方もあります。
まとめ
FXを始める前に決めておきたいのは、次の3つです。
- 資金の線:生活費・近い予定の支出・生活防衛資金を取り分けたうえで、失っても暮らしが変わらない上限を自分で決める
- ルールの線:1回の取引でやめる線と、1日や1週間でやめる線を決める。損切りとロスカットは別物として整理しておく
- 場所の線:①②と噛み合う口座を選ぶ。最低取引単位・注文の種類・コスト・デモの有無などを見る
どれも、口座を開く前の静かなうちにしか落ち着いて決められない項目です。数字の正解を誰かに決めてもらうのではなく、自分で線を引いておく。それが、始める前にできる準備だと思います。
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の投資判断・売買を推奨するものではありません。投資にはリスクがあり、元本や利益が保証されるものではありません。取引は自己責任で、余裕資金の範囲で行ってください。各社のサービス内容・手数料・ロスカット水準などは変更される場合があるため、最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。
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