PR
※本記事は相場でよく使われる言葉の意味と、その言葉が生まれた背景を整理した解説です。投資判断の助言・推奨や、相場の予測をするものではありません。ここに出てくる言葉を知っても、次の値動きが分かるようになるわけではありません。
ニュースや相場のコラムには「リスクオン」「リスクオフ」「有事の円買い」といった言葉がよく出てきます。意味を知らないまま読み飛ばしていると、記事が何を言っているのか分からないままになります。
この記事では、まどか先生が①リスクオン・リスクオフという言い方の意味、②「安全資産」と呼ばれるものがある理由、③「有事の円買い」が語られるようになった背景と、そうならなかったと指摘される場面、④為替介入の「円買い」との違いを順番に整理します。いずれも言葉の説明であって、売買のタイミングを示すものではありません。そこを取り違えないための注意点も、最後にまとめます。
「リスクオン」「リスクオフ」ってどういう意味?
世の中の先行きが落ち着いていると受け止められていて、値動きの大きいものにもお金が向かっていると説明されるときの言い方です。「リスクを取る側にスイッチが入っている」というニュアンスで使われます。
反対に、先行きへの不安が意識されていて、値動きが小さいとされるものへお金が移っていると説明されるときの言い方です。「リスクを降ろしている」というニュアンスです。
ここが最初の要点です。リスクオン・リスクオフは相場の状態につけられたラベルであって、信号機のように「進め」「止まれ」を示すものではありません。同じ日の値動きでも、解説する人によって違う呼び方をされることがあります。
なぜ「リスク」という言葉で分けるの?
| 呼び方 | よく例に挙げられるもの | そう呼ばれる理由として語られること |
|---|---|---|
| リスク資産 | 株式、新興国の通貨、資源を多く輸出する国の通貨など | 値動きの幅が大きくなりやすいと言われる |
| 安全資産 (安全通貨) |
主要国の国債、金、そして円やスイスフランなど | 不安が強い場面で買われやすいと言われてきた |
「安全資産」という呼び名は、元本が守られることを意味しません。呼び名と性質を混同すると、値動きを甘く見積もることになります。FXで想定しておくべきリスクの全体像は FXの危険性とは?6つのリスクと失敗しないための回避策を解説 に整理してあります。
「有事の円買い」って、どうして言われるようになったの?
よく挙げられる3つの理由
日本は長いあいだ、海外に多くの資産を持つ国だと説明されてきました。先行きが不安になった場面では、海外に出しているお金をいったん手元(=円)に戻す動きが出やすい、という説明のしかたです。
金利が低い通貨は、資金を調達する側として使われやすいと言われます。不安が強まって持っている投資を畳むときには、調達に使った円を返すために円を買い戻す流れになる、という説明です。金利そのものの話は 金利とFXの関係|なぜ金利で為替が動くのか、初心者向けに解説 でくわしく扱っています。
いざというときにすぐ売り買いできることは、それ自体が求められる性質です。円は世界で取引量の多い通貨のひとつとされ、こうした場面で選ばれやすいと語られます。通貨の組み合わせ方そのものは FXの通貨ペアとは?ドル円の読み方とクロス円の違いをまどか先生がやさしく解説 を参照してください。
ただし「いつもそうなる」とは限りません
「有事の円買い」は長く語られてきた言い回しですが、そうならなかったと指摘される場面も繰り返し出てきました。その理由としては、各国との金利差、日本のエネルギーや食料の輸入、その出来事が日本自身にどれくらい関わるか、といった点が挙げられます。
ただし、どれがどれだけ効いたのかを後から一つに決めることはできません。同じ値動きについて、解説する人ごとに違う理由が挙げられることもよくあります。ですから「有事=円高」と結びつけて覚えるのは、事実に合っていません。
「そう呼ばれてきた理由」までは説明できます。けれども「だから次はこう動く」とは言えません。本記事では、売買の判断につながる予測はしません。
為替介入の「円買い」とは、別のものです
| 有事の円買い | 円買い介入 | |
|---|---|---|
| 誰が | 市場に参加している多くの人たち(特定の誰かではない) | その国の通貨当局 |
| 何を | 結果としてそういう流れになった、と説明される | 実際に注文を出すという行為 |
| 言葉の性格 | 後からつけられた解釈のラベル | 制度にもとづく具体的な手続き |
ニュースの言い回しは、どこまで信じればいい?
相場は毎日動きます。動いた後、その日いちばん目立っていた出来事が理由として結びつけられます。それ自体は悪いことではなく、出来事を整理するのに役立ちます。けれども、その説明が正しかったかどうかを確かめる方法はありません。
つまり、これらの言葉を覚える値打ちは「ニュースが読めるようになる」ことであって、「次が分かるようになる」ことではないのです。ここを取り違えると、言葉を売買の合図として使ってしまいます。経済の発表そのものの読み方は 【はじめに】経済指標カレンダーとは?初心者向けの見方・使い方|まどか先生とはじめ君 と 経済指標とは?【FX取引における重要性や指標の種類・活用法を解説】 に、日本の金融政策が決まる場については 日銀・金融政策決定会合って何?|まどか先生とはじめ君 にまとめてあります。
初心者がつまずきやすい3つの勘違い
①「リスクオフ=円高」と、公式のように覚えてしまう
いちばん多い覚え違いです。前に書いたとおり、そうならなかったと指摘される場面が何度もありました。覚えるなら「そう説明されることがある」までにとどめておくのが正確です。
②「安全資産」を「損をしない資産」と読んでしまう
呼び名であって、性質の保証ではありません。値動きはありますし、思っていた方向と逆に動くこともあります。損失が膨らんだときに強制的に決済される仕組みについては FXにおけるロスカットのリスクと回避法を解説!FXの損失を最小限に抑えよう を読んでおくと、呼び名に頼らない備え方が分かります。
③ 用語を、売買の合図として使ってしまう
「リスクオフらしいから、こう動くはず」という使い方は、根拠のない当てものに近づいていきます。仕組みにもとづく取引と、当てものとの境目については FXって“賭け事”となにが違うの?|ギャンブルとの境目をまどか先生がやさしく解説 で整理しています。そもそも買いと売りの両方があることの意味は FXのロング・ショートとは?買いと売りの意味をまどか先生がやさしく解説 が入り口になります。
リスクオン・リスクオフについて、よくある質問
リスクオンとリスクオフは、どちらが良い状態ですか?
良い・悪いを表す言葉ではありません。市場の空気をざっくり分類した呼び名です。どちらの場面でも損をする人と得をする人がいます。
いまがリスクオンかリスクオフか、どこを見れば分かりますか?
確実に判定する方法はありません。多くの場合、値動きが出た後でそう名づけられます。ニュースを読むための語彙として持っておくのが、いちばん無理のない使い方です。
「有事の円買い」は、いまも通用する考え方ですか?
いまも語られ続けている言い回しですが、そうならなかったと指摘される場面も繰り返し出ています。本記事では「通用する/しない」を断定しません。そう呼ばれてきた理由と、例外が指摘されてきた事実の両方を知っておくのが安全です。
「質への逃避」という言葉も見かけます。別のものですか?
ほぼ同じ場面で使われる言い回しです。不安が強い場面で、値動きが小さいとされるものへ資金が向かうと説明するときに使われます。呼び方が違うだけ、と考えて差し支えありません。
円安・円高そのものが、まだよく分かっていません。
先に 円安・円高って生活にどう関係するの?|身近な例でまどか先生がやさしく解説 を読むと、この記事の内容がつながりやすくなります。
まどか先生のまとめ
- リスクオン・リスクオフは、市場の空気につけられた後づけのラベル。良し悪しの意味はない
- 「安全資産」は、損をしない資産という意味ではない。ただの呼び名で、値段は動く
- 「有事の円買い」は、そう語られてきた理由が3つほどある。ただしそうならなかったと指摘される場面も多いので、公式として覚えない
- 市場参加者の流れとしての「有事の円買い」と、通貨当局が注文を出す「円買い介入」は別物
用語が読めるようになってきたら、次は取引する場所の話になります。会社によって、扱う通貨ペアの数も、取引にかかるコストの出し方も変わります。選ぶときの見どころは 初心者から上級者まで!おすすめのFX口座と選び方のポイント に整理してあります。
あわせて読みたい
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の投資判断・売買を推奨するものではありません。相場の先行きを予測するものでもありません。取引には損失が生じるおそれがあります。投資は自己責任で、余裕資金の範囲で行ってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。下のボタンで応援いただけると、次の記事の励みになります。
(まどか先生:プリンより“ポチッ”が嬉しいそう🍮)