長期金利と政策金利の違いは?国債の利回りがニュースで語られる理由をやさしく解説

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長期金利と政策金利の違いは?国債の利回りがニュースで語られる理由をやさしく解説

※本記事は、政策金利と長期金利(国債の利回り)の違いを、日本銀行・財務省の公表資料にもとづいて整理した一般的な解説です。金利や為替相場の先行きを予測したり、特定の取引をすすめたりするものではありません。記事中の金利の数字は2026年9月〜10月時点の一例で、日々・会合ごとに変わります。最新の数字は日本銀行・財務省の公表資料で確認してください。

はじめ君

はじめ君
まどか先生、ニュースを見ていて混乱しちゃいました。「日銀が政策金利を1.25%程度に引き上げ」って聞いたと思ったら、別の日には「長期金利が3%台」って言ってて…。金利って、1つじゃないんですか?
まどか先生

まどか先生
いい疑問! ……でもその前に。今日のおやつのプリン、約束どおり黒ごま味を持ってきてくれた?
はじめ君

はじめ君
はい、商店街の豆腐屋さんが作ってるやつです。真っ黒でちょっとびっくりしました。
まどか先生

まどか先生
やった〜、香ばしいやつ! ありがと、はじめ君。じゃあ今日は「金利にはいろんな種類がある」っていうお話をするね。ニュースに出てくる金利の数字がそれぞれ何の金利なのかが分かると、経済のニュースがぐっと読みやすくなるよ。いつものとおり、金利や為替がこの先どう動くかを当てる話じゃないからね。

経済のニュースでは「政策金利」と「長期金利」という2つの言葉がよく登場します。どちらも「金利」ですが、決まり方も、表している期間も、数字の大きさもちがいます。同じ日のニュースで1%台と3%台の数字が並んでいても、どちらかが間違っているわけではありません。

この記事では、まどか先生が①金利が「期間」で分かれること、②政策金利とは何か、③長期金利とは何か(国債の利回り)、④国債の値段と利回りが逆に動くしくみ、⑤為替のニュースで国債の利回りが語られる理由を順番に整理します。金利と為替の関係そのものは 金利とFXの関係|なぜ金利で為替が動くのか、初心者向けに解説 でまとめています。

金利は「借りる期間」で呼び名が変わる|短期金利と長期金利

はじめ君

はじめ君
そもそも金利って、「お金を借りたときに払う利子の割合」ですよね?
まどか先生

まどか先生
そう、それで合ってるよ。ポイントは、借りる期間が長いか短いかで、別の金利として扱われることなの。1日だけ借りるのと、10年借りるのとでは、貸す人の気持ちもちがうでしょ?

日本銀行の「教えて!にちぎん」の用語解説では、資金の貸し借りの期間によって、金利を次のように分けて説明しています。

短期金利(短期市場金利)=期間が1年以内

主に金融機関が参加する市場で、1年以内の資金をやりとりするときの金利です。代表例として、コールレート、レポレート、国庫短期証券の利回りなどが挙げられています。後で出てくる政策金利は、この短期の金利の仲間です。

長期金利=期間が1年を超える

資金の貸し借りの期間が1年を超える金利です。代表的なものは10年物の国債の利回りで、債券市場で売買される国債の利回りは、いろいろな金融取引の目安(指標)としてよく使われる、と説明されています。

まどか先生

まどか先生
つまり、ニュースの「政策金利」は短い期間の金利、「長期金利」は長い期間の金利。そもそも測っている期間がちがうから、数字がちがっていても不思議じゃないんだよ。
はじめ君

はじめ君
なるほど…。1日の電車代と、10年分の定期代を比べてるようなものですか?
まどか先生

まどか先生
うーん、ちょっとちがうかな! 定期代は長いほど割安になるけど、金利は長い期間のほうが高いことも、低いこともあるの。「期間がちがうと、別の値段がつく」ってところだけ、たとえとして覚えておいてね。

政策金利とは|日本銀行が目標を決める「短期の金利」

はじめ君

はじめ君
じゃあ、政策金利って具体的には何の金利なんですか?
まどか先生

まどか先生
日本の場合は、銀行どうしが「今日借りて、次の営業日に返す」ときの金利だよ。名前はちょっと長くて、無担保コールレート(オーバーナイト物)っていうの。

日本銀行の「教えて!にちぎん」によると、2024年3月以降、日本銀行は政策金利を無担保コールレート(オーバーナイト物)としたうえで、金融市場調節方針の中で、その誘導目標(このくらいの水準で推移するように促す、という目標)を定めています。「コール」は金融機関どうしの短期の貸し借り、「オーバーナイト」は翌日まで、という意味です。

2026年9月の決定(一例)

日本銀行が2026年9月18日に公表した「金融市場調節方針の変更について」では、金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すことが決まりました(賛成7・反対2)。新しい方針は、翌営業日の9月24日から適用されています。

まどか先生

まどか先生
ここで大事なのは、政策金利は「会合で決まる」ってこと。だから、次の会合まで目標はふつう変わらないの。日銀の会合がいつ開かれて、なぜ注目されるのかは 日銀・金融政策決定会合って何?|まどか先生とはじめ君 で話したよ。

アメリカでも同じように、中央銀行の会合(FOMC)で短期の政策金利の目標が決められます。FOMCのしくみは FOMC・政策金利って何?|まどか先生とはじめ君 で整理しています。

長期金利とは|国債の売り買いで決まる「市場の金利」

はじめ君

はじめ君
じゃあ長期金利も、日銀の会合で決めてるんですか?
まどか先生

まどか先生
そこがいちばんのちがい! 長期金利は、誰かが会合で数字を決めるものじゃないの。国が発行する国債が市場で毎日売り買いされていて、その値段から計算される利回りが、長期金利として使われているんだよ。

国債ってなに?

国債は、国がお金を借りるときに発行する債券(借用証書のようなもの)です。財務総合政策研究所の資料「金利リスク入門」では、政府は国債を発行して資金を調達し、銀行や生命保険会社などが国債を購入することで、そのお金が政府に流れている、と説明しています。国債には、1年以内のものから40年のものまで、いろいろな期間(年限)があります。

財務省が公表している国債の金利(2026年10月13日の一例)

財務省は「国債金利情報」で、年限ごとの国債の金利を公表しています。財務省のFAQでは、この金利は市場で取引されている固定利付国債の実際の価格にもとづいて計算した、年限ごとの利回りだと説明されています。2026年10月13日の値は、次のとおりでした。

年限 1年 2年 5年 10年 20年 30年
金利(%) 1.657 1.928 2.371 3.019 3.841 4.064

出典:財務省「国債金利情報」(2026年10月13日分・2026年10月15日に確認)。数字は営業日ごとに更新されます。表は一部の年限だけを抜き出しています。

はじめ君

はじめ君
ニュースの「長期金利が3%台」っていうのは、この10年のところなんですね!
まどか先生

まどか先生
そういうこと。日本銀行の用語解説でも、長期金利の代表例は10年物の国債の利回りって書いてあるよ。それから、この日の表だと年限が長いほど数字が大きくなってるでしょ? でもこれは「いつもそうなる」っていう決まりじゃないの。並び方も日々変わるから、あくまでこの日の一例ね。

「国債の値段が下がると、利回りが上がる」のはなぜ?

はじめ君

はじめ君
ニュースで「国債が売られて、長期金利が上昇」って言ってたんです。売られたのに金利が上がるって、どういうことですか?
まどか先生

まどか先生
これ、大人でもつまずくところなんだよ。財務総合政策研究所の資料でも、国債の金利と価格が逆に動くことは、債券をはじめて学ぶ人が最初につまずく点だって書いてあるくらい。かんたんな数字で考えてみよう。
かんたんな例で考える(利子の受け取りや手数料、税金などは考えない場合)

「1年後に100円が戻ってくる券」があるとします。
・この券を99円で買ったとすると:1年で1円増える → 99円に対して約1.01%
・この券を98円で買ったとすると:1年で2円増える → 98円に対して約2.04%
→ 戻ってくる金額(100円)は同じなので、買う値段が安いほど、利回りは高くなります。

まどか先生

まどか先生
国債を売りたい人が多いと、値段は下がるよね。値段が下がると、上の例のように利回りは上がる。だから「国債が売られる」と「長期金利が上がる」は、同じできごとを2つの言い方で言っていることが多いの。

同じ資料では、投資家が国債を買いたいと思わなければ国債の価格は下がり、政府は高い金利をつけて投資家の購買意欲を高める必要がある、という趣旨も説明されています。国債を買いたい人と売りたい人のバランスで値段が動き、その結果として長期金利が日々動く、というイメージです。

はじめ君

はじめ君
利回りが上がるなら、国債を持っている人は得してるんですか?
まどか先生

まどか先生
ううん、そこが逆なの。すでに国債を持っている人から見ると、利回りが上がる=持っている国債の値段が下がるってこと。途中で売ろうとすると、買ったときより安くなっていることもあるんだよ。「利回りが高い=得」とは、すぐには言えないの。

政策金利と長期金利のちがいを一覧で整理

見どころ 政策金利(日本) 長期金利(日本)
何の金利? 無担保コールレート(オーバーナイト物)=銀行どうしの翌日までの貸し借り 代表は10年物の国債の利回り
期間 短い(翌営業日まで) 長い(1年超。代表は10年)
どう決まる? 日本銀行の金融政策決定会合で誘導目標を決める 国債の売り買いで値段が動き、利回りが決まる
数字が変わるのは? 主に会合で方針が変わったとき 市場が開いている日は毎日動く
どこで確認できる? 日本銀行の公表文(会合のあとに公表) 財務省「国債金利情報」など
はじめ君

はじめ君
2つは、まったく関係ないんですか?
まどか先生

まどか先生
関係はあるよ。短い期間の金利の目標が変わると、ほかの金利にも影響が広がっていく、というのが金融政策の考え方なの。でも長期金利は市場の売り買いで決まるから、政策金利と同じだけ動くわけじゃないし、会合のない日にも動くの。

日本銀行の「教えて!にちぎん」によると、2016年9月以降には「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う」という、長期金利にも目標を置く方針がとられた時期がありました。ふだんは市場で決まる長期金利に目標を置くために、国債を買い入れるという特別な手段が必要だったわけです。2024年3月以降の枠組みでは、日本銀行が誘導目標を定めるのは政策金利(無担保コールレート)です。

なぜ為替のニュースで「国債の利回り」が語られるの?

はじめ君

はじめ君
FXの解説で「日米の長期金利の差が…」って言ってるのを聞いたことがあります。なんで為替の話に国債が出てくるんですか?
まどか先生

まどか先生
お金は、少しでも利回りのいいところに集まりやすい、って考え方があるからだよ。国どうしの金利の差は、通貨の売り買いの材料の一つとして語られることがあるの。その「金利」の目安として、短い期間なら政策金利、長い期間なら国債の利回りがよく使われるんだね。

ニュースでは、日本とアメリカの金利の差が、ドル円の動きを説明する材料の一つとして取り上げられることがあります。ただし、為替は金利だけで動くわけではなく、景気・物価・要人の発言・市場の不安など、さまざまな要因が重なります。「金利差が広がったら円安になる」と決まっているわけではありません。金利と為替の関係、そして「決めつけない」ことの大切さは 金利とFXの関係|なぜ金利で為替が動くのか、初心者向けに解説 で、不安が強い場面で語られる「リスクオフ」の話は リスクオン・リスクオフとは?「有事の円買い」が語られる理由をやさしく解説 でくわしく説明しています。

まどか先生

まどか先生
FXのスワップポイントも、2つの通貨の金利の差をもとにした考え方だよ。スワップポイントの金額は通貨ペアやFX会社ごとに決められていて、金利の状況しだいで変わるの。くわしくは FXのスワップポイントとは?仕組みから活用法まで徹底解説! を見てね。

政策金利と長期金利は、どこで確認できる?

数字は日々・会合ごとに変わるので、記事やSNSで見た数字をそのまま信じるより、公表している機関の資料を直接見るのが確実です。

知りたいこと 確認できるところ ポイント
日本の政策金利 日本銀行の金融政策決定会合の公表文 会合のあとに公表。「無担保コールレート(オーバーナイト物)を○%程度で推移するよう促す」という形で書かれる
日本の長期金利 財務省「国債金利情報」 年限ごとの金利を営業日ごとに公表。10年のところが長期金利の代表
会合や指標の予定 【はじめに】経済指標カレンダーとは?初心者向けの見方・使い方|まどか先生とはじめ君 日銀会合やFOMCの日程を、ほかの指標と一緒に見られる
まどか先生

まどか先生
「1.25%」「3.019%」みたいな数字も、この記事を読むころには変わっているかもしれないよ。数字そのものより、「これは何の金利?」「だれが、どうやって決めた数字?」って考えるクセをつけるのが大事なの。

初心者がつまずきやすい3つの勘違い

①「政策金利が上がれば、長期金利も同じだけ上がる」

政策金利は会合で決まる短期の金利、長期金利は国債の売り買いで決まる長い期間の金利です。関係はありますが、上がる幅もタイミングも同じとは限りません。会合の前から長期金利が動いていることもあれば、会合のあとにほとんど動かないこともあります。

②「利回りが上がった=国債を持っている人は得をした」

利回りが上がるのは、多くの場合、国債の値段が下がったときです。すでに国債を持っている人にとっては、持っている国債の値段が下がったことを意味します。「国債=値段が動かない」と考えるのも誤りで、市場で売り買いされる以上、値段は日々変わります。

③「金利の数字を見れば、為替の動きが分かる」

金利は為替の材料の一つにすぎません。金利のニュースを売買の合図にしてしまうと、思いがけない値動きで損失が出ることがあります。FXはレバレッジによって損失が大きくなるおそれがあり、元本は保証されません。FXのリスクの全体像は FXの危険性とは?6つのリスクと失敗しないための回避策を解説 にまとめてあります。

政策金利と長期金利について、よくある質問

政策金利は、いつ変わるのですか?

日本の政策金利は、日本銀行の金融政策決定会合で方針が決まります。会合のたびに変わるとは限らず、据え置かれることもあります。会合の開催時期や見方は 日銀・金融政策決定会合って何?|まどか先生とはじめ君 で説明しています。

長期金利は、毎日変わるのですか?

国債は市場で日々売り買いされているため、長期金利も市場が開いている日は動きます。財務省の「国債金利情報」でも、営業日ごとの値が公表されています。

「10年」以外の国債の金利は、ニュースで使われないのですか?

使われることもあります。財務省の国債金利情報には1年から40年までの年限が並んでおり、ニュースでは「2年物」「30年物」などの利回りが取り上げられることもあります。「長期金利」と一言でいうときは、代表である10年物を指すことが多い、と覚えておくと読みやすくなります。

国債の「利率」と「利回り」は同じものですか?

似た言葉ですが、別のものです。利率は、国債を発行するときに決まる「額面に対して毎年いくら利子を払うか」の割合で、固定利付国債ならふつう途中で変わりません。利回りは、その国債をいくらで買ったかまで含めて計算した、受け取れる見込みの割合です。財務省が公表している金利も、市場での実際の価格にもとづいて計算した利回りです。ニュースで日々動いていると伝えられるのは、利率ではなく利回りのほうです。

アメリカの「長期金利」も、同じように考えればいいですか?

考え方の土台は同じです。アメリカでも、会合(FOMC)で決まる短期の政策金利とは別に、市場で売り買いされる国債の利回りが、長い期間の金利の目安として取り上げられます。ニュースで「米長期金利」と言うときは、10年物の米国債の利回りを指していることが多いです。国ごとに制度や市場のしくみがちがう点には注意してください。

政策金利が上がると、FXでは何が変わりますか?

通貨の金利の差が変わると、スワップポイントの金額などに影響が出ることがあります。ただし、為替レートがどちらに動くかは金利だけでは決まらず、前もって分かるものではありません。金利の発表の前後は値動きが大きくなることもあるため、取引の有無にかかわらず、損失の可能性を前提に考えることが大切です。

金融の言葉がまだよく分かりません。

レバレッジ・スプレッド・スワップなど、FXでよく出てくる言葉は FX用語集|初心者がまず覚える26語をまどか先生がやさしく解説 で一覧にしています。円安・円高が暮らしにどう関わるかは 円安・円高って生活にどう関係するの?|身近な例でまどか先生がやさしく解説 から読むと、つながりが分かりやすくなります。

まどか先生のまとめ

  • 金利は借りる期間で分かれる。1年以内が短期金利、1年を超えるのが長期金利
  • 政策金利は、日本では無担保コールレート(オーバーナイト物)。日本銀行が会合で誘導目標を決める
  • 長期金利の代表は10年物の国債の利回り。誰かが決めるのではなく、国債の売り買いで日々動く
  • 国債は値段が下がると利回りが上がる。「国債が売られる」と「長期金利の上昇」はセットで語られやすい
  • 金利の差は為替の材料の一つだけど、公式のようには動かない。売買の合図にはしない
はじめ君

はじめ君
同じ日に1.25%と3%台が出てきても、もう混乱しないです。期間がちがう、別の金利なんですね。
まどか先生

まどか先生
そのとおり! ニュースで金利の数字を見たら、まず「短いほう?長いほう?」って考えてみてね。じゃ、プリン食べよ!
はじめ君

はじめ君
(黒ごまプリン…。見た目はすごく濃いのに、味はやさしい。見た目と中身がちがうって、今日の金利の話みたいだ)

金利のニュースの読み方が分かったうえで、FXの口座そのものに興味が出てきた場合は、まず会社ごとの条件の違いを知るところから始めるのが順番です。スプレッドやスワップポイント、ツールの使いやすさなど、口座を選ぶときの見どころは 初心者から上級者まで!おすすめのFX口座と選び方のポイント に整理してあります。

この記事の出典(2026年10月15日に確認)


※本記事は一般的な情報提供であり、特定の金融商品・取引・投資判断を推奨するものではありません。金利や為替相場の先行きを予測するものでもありません。記事中の金利は2026年9月〜10月時点の一例です。FXは元本が保証されない取引で、損失が生じるおそれがあります。最新の情報は日本銀行・財務省・金融庁の公表資料で確認し、投資は自己責任で、余裕資金の範囲で行ってください。

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